CORSセキュリティ:仕組みと対策
CORS の仕組みとセキュリティへの影響
CORS (Cross-Origin Resource Sharing) は、Web ブラウザが異なるオリジン (ドメイン、プロトコル、ポート) のリソースにアクセスすることを制限する仕組みです。これは、悪意のあるスクリプトが、Web サイトの権限を悪用して、他の Web サイトのデータにアクセスしたり、改ざんしたりするのを防ぐためのセキュリティ対策です。
CORS の仕組み
CORS の仕組みは、主に以下の 3 つの HTTP ヘッダーを用いて実現されます。
- Origin ヘッダー: リクエストを送信するオリジンをブラウザが送信します。
- Access-Control-Allow-Origin ヘッダー: サーバーが CORS へのリクエストを受け入れるかどうかを指示します。
- Access-Control-Allow-Methods ヘッダー: 許可されている HTTP メソッド (GET, POST, PUT, DELETE など) を指定します。
- Access-Control-Allow-Headers ヘッダー: リクエストヘッダーとして使用できるものを指定します。
ブラウザは、これらのヘッダーを分析し、サーバーが CORS に準拠しているかどうかを判断します。サーバーが CORS に準拠している場合、ブラウザはリクエストを送信します。そうでなければ、ブラウザはリクエストをブロックします。
セキュリティへの影響
CORS を正しく実装しない場合、セキュリティ上のリスクが生じる可能性があります。
- クロスサイトスクリプティング (XSS) 攻撃: XSS 攻撃によって、悪意のあるスクリプトがWebページに注入され、ユーザーの認証情報を盗み取ったり、他のWebサイトにリダイレクトしたりする可能性があります。CORS が適切に設定されていないと、この攻撃の被害を拡大させる可能性があります。
- クロスサイトリクエストフォージェリ (CSRF) 攻撃: CSRF 攻撃では、攻撃者がユーザーがログインしている状態を悪用し、ユーザーが意図しない操作を実行させます。CORS は CSRF 攻撃そのものを防ぐものではありませんが、セキュリティ強化のための一つの要素となります。
- 認証情報の漏洩: CORS が正しく設定されていないと、JavaScript コードが異なるドメインの API にアクセスし、ユーザーの認証情報を送信してしまう可能性があります。
CORS の設定
CORS を正しく設定するには、サーバー側の設定が重要です。サーバー側の設定は、どのオリジンからのリクエストを受け入れるか、どのHTTPメソッドを許可するかなどを指定します。サーバー側の設定は、Web サイトのセキュリティを向上させるための重要な要素です。
多くの Web サーバー (Apache, Nginx など) は、CORS を有効にするためのモジュールや設定ファイルを提供しています。これらの設定を正しく設定することで、CORS を有効にすることができます。
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