GraphQL Federation 仕組みと実装

GraphQL Federation の仕組みと実装例

GraphQL Federation は、複数の GraphQL サービスを連携させて、単一の API として利用できるようにする技術です。大規模なアプリケーションやマイクロサービスアーキテクチャにおいて、パフォーマンスと開発効率を向上させるために非常に有効です。

GraphQL Federation の基本的な概念

GraphQL Federation の中心となるのは、Gateway と Splits です。

• Gateway (ゲートウェイ): ユーザーからのリクエストを受け付け、適切な Split にルーティングする役割を担います。
• Splits: 各 Split は、特定のデータソース（例えば、商品の情報、顧客情報、在庫情報など）にアクセスするための GraphQL サービスです。

ユーザーからのリクエストが Gateway に到達すると、Gateway はリクエストの内容に基づいてどの Split が適切なデータを提供できるかを判断し、その Split にリクエストを転送します。 Split は、その Split が管理するデータソースに対して GraphQL リクエストを実行し、結果を Gateway に返します。Gateway はこれらの結果を最終的なレスポンスとしてユーザーに返します。

実装例 (Node.js + Apollo Server)

以下は、Node.js と Apollo Server を使用した簡単な GraphQL Federation の実装例です。ここでは、商品の情報と顧客情報をそれぞれ別の Split で提供する例を示します。

    
    // 商品情報を扱う Split
    const { ApolloServer } = require('apollo-server');
    const products = [
      { id: '1', name: '商品 A', price: 1000 },
      { id: '2', name: '商品 B', price: 2000 }
    ];

    const productType = new ApolloServer.Schema({
      types: [
        new ApolloServer.Schema({
          name: 'Product',
          fields: {
            id: { type: 'ID' },
            name: { type: 'String' },
            price: { type: 'Float' }
          }
        })
      ]
    });

    // 顧客情報を扱う Split
    const { ApolloServer } = require('apollo-server');
    const customers = [
      { id: '1', name: '顧客 A', email: 'customerA@example.com' },
      { id: '2', name: '顧客 B', email: 'customerB@example.com' }
    ];

    const customerType = new ApolloServer.Schema({
      types: [
        new ApolloServer.Schema({
          name: 'Customer',
          fields: {
            id: { type: 'ID' },
            name: { type: 'String' },
            email: { type: 'String' }
          }
        })
      ]
    });

    // Gateway (簡易的な例)
    const gateway = new ApolloServer({
      schema: {
        types: [productType, customerType],
        // 実際の Gateway は、リクエスト内容に応じて適切な Split を選択するロジックを持つ
        // ここでは簡略化のため、すべてのリクエストを productType にルーティング
        // 実際の Gateway は、リクエストの内容に基づいて適切な Split を選択するロジックを持つ
        resolveOperation: async (rootInfo, resolveOperation, params) => {
            return resolveOperation(rootInfo, params);
        }
      }
    });
    
    

この例では、Gateway はすべてのリクエストを productType にルーティングしています。 実際には、リクエストの内容に基づいて適切な Split を選択するロジックを実装する必要があります。

まとめ

GraphQL Federation は、分散システムにおけるデータ連携を簡素化し、パフォーマンスと開発効率を向上させる強力な技術です。 複雑なシステムを構築する際には、GraphQL Federation の導入を検討する価値があります。