電子回路 EMC対策とノイズ抑制部品選び
電子回路のEMC対策とノイズ抑制部品の選び方
電子回路設計において、EMC(電磁適合性)対策は非常に重要です。EMCとは、電子機器が他の電子機器に電磁波を放射したり、外部からの電磁波の影響を受けたりする能力を指します。EMC対策を怠ると、他の機器の誤動作を引き起こしたり、自身の回路がノイズの影響で正常に動作しなくなる可能性があります。本記事では、EMC対策の基本的な考え方と、効果的なノイズ抑制部品の選び方について解説します。
EMC対策の基本的な考え方
EMC対策は、以下の3つの観点から行うことが重要です。
- 放射線対策: 外部への電磁波の放射を抑制する対策です。ケースのシールド、配線ルートの工夫、高周波部品の適切な配置などが挙げられます。
- 誘電体対策: 内部からの電磁波の影響を抑制する対策です。基板の材質、層構造、配線パターンなどを工夫することで、信号線のノイズの影響を低減できます。
- 共通対策: 放射線対策と誘電体対策の両方を考慮した対策です。
ノイズ抑制部品の選び方
EMC対策において、ノイズ抑制部品の選択は非常に重要です。以下に、代表的なノイズ抑制部品と、選定のポイントを紹介します。
コンデンサ
コンデンサは、特に高周波ノイズの除去に効果的です。以下の種類がよく用いられます。
- シールドコンデンサ: 電磁波の放射を抑制する構造になっています。
- セラミックコンデンサ: 高周波特性に優れています。
- フィルムコンデンサ: 低ノイズ特性を持ちます。
インダクタンス
インダクタンスは、ノイズの発生源となる電流を抑制する効果があります。 ノイズフィルタとして利用されることもあります。
抵抗
ノイズ成分を減衰させる目的で使用されます。 特に、特定の周波数帯域のノイズを除去するフィルターとして利用されます。
EMC対策の注意点
EMC対策は、単に部品を追加するだけでなく、回路全体の設計を見直す必要があります。以下の点に注意しましょう。
- 配線ルートの最適化: 信号線と電源ラインを分離し、配線距離を短くすることで、ノイズの影響を低減できます。
- グランド設計: 安定したグランド系を構築し、ノイズの発生源となるバイアス電流を抑制します。
- シールドの検討: ケースや基板をシールドすることで、外部からのノイズの影響を低減できます。
EMC対策は、製品の信頼性向上だけでなく、製品の普及にもつながります。ぜひ、EMC対策を意識した設計に取り組んでください。
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