DAC・ADC 接続と仕組み
DAC・ADC の仕組みとマイコンとの接続方法
デジタル信号をアナログ信号に、またはその逆の変換を行うためのデバイス、DAC(デジタル-アナログコンバーター)とADC(アナログ-デジタルコンバーター)は、電子工作や制御システムにおいて非常に重要な役割を果たします。本記事では、これらのデバイスの基本的な仕組みと、マイコンとの接続方法について解説します。
1. DAC(デジタル-アナログコンバーター)の仕組み
DACは、デジタルデータ(通常は二進数)を受け取り、それを対応するアナログ電圧または電流に変換します。変換のプロセスは、通常、以下のステップで行われます。
- デジタルデータを受け取る: DACは、通常、8ビット、16ビット、24ビットなどのビット幅でデジタルデータを入力として受け取ります。
- 分解マッピング: 入力されたデジタルデータは、内部の分解マッピングテーブルと比較されます。このテーブルは、各デジタルコードに対応するアナログ電圧または電流の値を定義します。
- アナログ出力生成: 分解マッピングテーブルに基づいて、対応するアナログ電圧または電流が生成されます。この出力は、通常、出力ピンから出力されます。
DACの出力電圧は、通常、0VからVref(基準電圧)までの範囲で設定可能です。Vrefは、DACの精度と出力範囲を決定する重要なパラメータです。
2. ADC(アナログ-デジタルコンバーター)の仕組み
ADCは、アナログ信号(電圧または電流)を受け取り、それを対応するデジタルデータに変換します。変換のプロセスは、通常、以下のステップで行われます。
- アナログ信号を入力: ADCは、通常、0VからVrefまでのアナログ電圧を入力として受け取ります。
- サンプリング: 入力されるアナログ信号を、一定の周期でサンプリングします。サンプリングレートが高いほど、より正確なデジタル値が得られます。
- 量子化: サンプリングされたアナログ値を、指定されたビット幅で量子化します。量子化誤差が発生する可能性があります。
- デジタル出力生成: 量子化されたデジタルデータは、通常、出力ピンから出力されます。
ADCの分解能(ビット幅)が高いほど、より細かいアナログ信号をデジタルデータで表現できます。
3. マイコンとの接続方法
マイコンとDAC、ADCを接続する一般的な方法を紹介します。
- I2S インターフェース: I2S(Inter-IC Sound)インターフェースは、デジタルオーディオデータ転送によく使用されるインターフェースです。DACやADCはI2Sインターフェースを搭載している場合が多く、マイコンとの間でデジタルオーディオデータを転送するのに適しています。
- SPI インターフェース: SPI(Serial Peripheral Interface)インターフェースは、マイコンとDAC、ADCの間でデータ転送を行うための汎用的なインターフェースです。
- UART インターフェース: UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)インターフェースは、シリアル通信を行うためのインターフェースです。低速なデータ転送に適しています。
それぞれのインターフェースには、プロトコルや制御信号が異なります。使用するDAC、ADC、マイコンの仕様を確認し、適切なプロトコルで通信を設定する必要があります。
まとめ
DACとADCは、デジタル信号とアナログ信号の変換を行うための重要なデバイスです。マイコンとの接続方法を理解することで、様々な電子工作や制御システムに組み込むことができます。それぞれのデバイスの仕組みを理解し、適切なインターフェースで接続することで、より高度なシステムを構築することができます。
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