BDD導入ガイド:振る舞い駆動開発の基本

BDD(振る舞い駆動開発)の基本と導入方法

BDD(振る舞い駆動開発)の基本と導入方法

BDD(Behavior-Driven Development、振る舞い駆動開発)は、ソフトウェア開発におけるアプローチであり、ユーザーの「振る舞い」を定義し、それを基にテストや開発を進める手法です。従来のテスト駆動開発(TDD)とは異なり、ユーザー視点での開発を重視します。

BDDの基本的な考え方

BDDの核となるのは、以下の3つの要素です。

  • スチュワード:ユーザーの視点を取り持つ役割を担います。スチュワードは、ユーザーのニーズを表現し、テストの合意を得る役割を担います。
  • スキーマ:ユーザーの振る舞いを記述した、形式化された仕様です。通常、Gherkinと呼ばれる構文(Given-When-Then)を用いて記述されます。
  • 実行者:スキーマに基づいてテストを実行し、結果を検証する役割を担います。

Gherkin構文は、簡単に言うと、以下の3つの部分で構成されます。


Given <条件>
When <アクション>
Then <結果>

例えば、”ログイン機能が正常に動作すること”を検証する場合、Gherkinのスキーマは以下のようになります。


Given <ユーザーがログインページにいる>
When <ユーザーが有効なユーザー名とパスワードを入力してログインボタンをクリックする>
Then <ユーザーがログイン成功画面に遷移する>

BDDの導入方法

BDDを導入するにあたって、以下のステップで進めるのがおすすめです。

  1. チームの合意:BDDの導入目的と、チームメンバーへの理解を深めるための共有会を開催します。
  2. スチュワードの選定:ユーザー視点を取り持つ役割を担う人物を選定します。
  3. Gherkinスキーマの作成:主要なユーザーの振る舞いをGherkin構文で記述します。最初は、小さな機能から始めるのがおすすめです。
  4. テスト実行ツールの導入:BDDの実行を支援するツール(例:Cucumber、SpecFlow)を導入します。
  5. テストの実行と改善:作成したGherkinスキーマに基づいてテストを実行し、結果を検証します。結果に基づいてGherkinスキーマを修正し、テストの品質を向上させていきます。

BDDのメリット

BDDを導入することで、以下のメリットが期待できます。

  • 開発者の理解の深化:ユーザーの視点での開発を行うことで、開発者の理解が深まります。
  • コミュニケーションの円滑化:スチュワードを通じて、開発者、テスター、ビジネスサイド間のコミュニケーションが円滑化されます。
  • 品質の向上:早期にユーザーのニーズを満たすテストが作成されるため、ソフトウェアの品質が向上します。

BDDは、ソフトウェア開発におけるアプローチの一つであり、様々な開発スタイルやプロジェクトに適用することができます。まずは、小規模なプロジェクトでBDDを試してみて、その効果を体感してみることをおすすめします。

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