Kubernetes ネットワーキング基礎

Kubernetes のネットワーキング基礎と実践

Kubernetes のネットワーキング基礎と実践

Kubernetes はコンテナ化されたアプリケーションを管理・運用するためのプラットフォームですが、その根幹を支えているのがネットワーク機能です。本記事では、Kubernetes のネットワーキングの基礎を理解し、基本的な実践的な内容を解説します。単にポートフォワーディングだけを扱うのではなく、Kubernetes がどのようにネットワークを扱うのか、その仕組みを理解することを目標とします。

ネットワークモデルと Kubernetes の役割

Kubernetes のネットワークは、通常、4層のネットワークモデルに基づいて構築されています。これは、OSI参照モデルを簡略化したものです。

  • アプリケーション層 (Layer 7): アプリケーションが直接通信する層です。HTTP、gRPC などを使用します。
  • トランスポート層 (Layer 4): TCP、UDP などのプロトコルを使用し、接続の確立、維持、破棄を行います。
  • ネットワーク層 (Layer 3): IP アドレスを使ってネットワーク上の機器間を識別し、パケットをルーティングします。
  • 物理層 (Layer 1): 物理的なネットワーク接続(ワイヤー、無線など)を扱います。

Kubernetes は、これらの層でそれぞれ異なるネットワーク機能を提供します。例えば、サービスディスカバリ、ロードバランシング、セキュリティなどです。

Kubernetes のネットワーク構成

Kubernetes のネットワーク構成は、大きく分けて以下の3つの要素で構成されます。

  • Pod ネットワーク: 各 Pod の間で通信を行うためのネットワークです。通常、CRI-O などのコンテナランタイムが提供するネットワーク機能を使用します。
  • Service ネットワーク: 複数の Pod を抽象化し、外部からアクセスできるようにするためのネットワークです。Kubernetes は、Service を表すために、様々なネットワークモデル(ClusterIP、NodePort、LoadBalancer など)を使用します。
  • Ingress: 外部からの HTTP/HTTPS リクエストを、バックエンドの Service にルーティングするための仕組みです。

Service のタイプ

Kubernetes Service は、大きく分けて以下の 3 つのタイプがあります。

  • ClusterIP: 内部ネットワーク上でのみアクセス可能な Service です。
  • NodePort: 各ノード上で指定されたポートを開き、Service にアクセスできるようにします。
  • LoadBalancer: クラウドプロバイダーのロードバランサーを使って Service にアクセスできるようにします。

どのタイプを選択するかは、アプリケーションの要件、インフラストラクチャ、およびクラウドプロバイダーによって異なります。

CNI (Container Network Interface) プラグイン

Kubernetes は、CNI プラグインを使って、コンテナのネットワークを設定します。CNI プラグインは、Kubernetes とネットワークドライバの間をつなぐ役割を果たし、様々なネットワークドライバ(Calico, Flannel, Cilium など)をサポートしています。各 CNI プラグインは、ネットワークポリシー、ルーティング、およびその他のネットワーク機能を提供します。

まとめ

Kubernetes のネットワーキングは、アプリケーションの動作に大きな影響を与えます。この記事で解説した内容を参考に、Kubernetes のネットワーク機能について理解を深め、アプリケーションを安全かつ効率的に運用してください。

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