マイコンDMA:効率的なデータ転送のコツ
マイコンにおけるDMA(直接メモリアクセス)の理解と活用
マイコン(マイクロコントローラ)におけるDMA(Direct Memory Access)は、CPUを介さずにメモリ間のデータ転送を可能にする機構です。これにより、CPUの負荷を軽減し、システム全体のパフォーマンスを向上させることができます。
DMAとは何か?
DMAは、CPUがデータ転送を制御しなくても、メモリ間の直接的な転送を許可する仕組みです。従来のデータ転送では、CPUがメモリへのアクセスを制御するため、データ転送中にCPUは他の処理を行うことができませんでした。DMAを使用することで、CPUはデータ転送中に他のタスクを実行できるようになり、システム全体の効率が大幅に向上します。
DMAの仕組み
DMAの基本的な仕組みは以下の通りです。
- DMAコントローラの設定:DMAコントローラは、ソースアドレス、デスティネーションアドレス、転送量、転送モード(シングルポインティング、マルチポインティングなど)、優先度などのパラメータを設定します。
- 転送開始:DMAコントローラが設定に基づいて転送を開始します。
- データ転送:DMAコントローラがソースからデスティネーションへデータを直接転送します。この際、CPUは干渉しません。
- 転送完了:DMAコントローラが転送完了を通知します。
DMA転送モード
DMA転送にはいくつかのモードがあります。
- シングルポインティング:ソースアドレスとデスティネーションアドレスが同じ場合に使用されます。
- マルチポインティング:ソースアドレスとデスティネーションアドレスが異なる場合に使用されます。
- サイクルモード:繰り返し転送を行う場合に用いられます。
DMAの利点
- CPU負荷の軽減:データ転送中のCPU負荷を軽減できます。
- パフォーマンス向上:システム全体のパフォーマンスを向上させます。
- リアルタイム性:リアルタイム処理に適しています。
DMAの応用
DMAは、以下のような用途で利用されます。
- ADC/DAC転送:アナログ-デジタル変換器(ADC)やデジタル-アナログ変換器(DAC)からのデータ転送
- シリアル通信:UART、SPI、I2Cなどのシリアル通信におけるデータ転送
- フラッシュメモリへの書き込み:プログラムやデータのフラッシュメモリへの書き込み
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