BLEセンサー通信の基礎と実践
BLE(Bluetooth Low Energy)センサー通信の基礎と実践例
BLE(Bluetooth Low Energy)は、低消費電力でデータ通信を行うためのBluetooth規格です。IoT(Internet of Things)デバイスの接続において重要な役割を果たしており、環境センサー、ウェアラブルデバイス、スマートホームデバイスなど、様々な分野で活用されています。
BLEの基本的な仕組み
BLEの基本的な仕組みを理解することが重要です。BLEは、マスターデバイス(スマートフォンやパソコンなど)とスレーブデバイス(センサーなど)の間で通信を行います。スレーブデバイスは、マスターデバイスからの指示に応じてデータを送信したり、コマンドを受け付けたりします。BLEは、大きく分けて以下のプロトコルを使用します。
- Advertising:スレーブデバイスが自身の存在を宣伝し、マスターデバイスがその存在を検出します。
- Connection Grant:マスターデバイスがスレーブデバイスへの接続を許可します。
- Service Discovery:スレーブデバイスが自身のサービスを登録し、マスターデバイスがそのサービスを見つけます。
- Data Exchange:マスターデバイスとスレーブデバイスの間で実際にデータが交換されます。
実装例:温度センサーからのデータ取得
ここでは、Arduino UnoとBLEモジュール(HC-05など)を使って、温度センサーからのデータを取得する簡単な実装例を紹介します。
// Arduino コード例(HC-05 を使用)
#include
SoftwareSerial bleSerial(10, 11); // RX, TX ピン
void setup() {
Serial.begin(9600);
bleSerial.begin(9600);
Serial.println("BLE接続開始...");
}
void loop() {
float temperature = readTemperature();
Serial.print("温度: ");
Serial.println(temperature);
bleSerial.print("温度: ");
bleSerial.println(temperature);
delay(1000);
}
float readTemperature() {
// ここに温度センサーからデータを読み取るコードを実装
// 例:DHT11 センサーを使用する場合
// ...
return 25.5; // ダミー値
}
この例では、ArduinoのSerialモニタとBLEモジュールを通して、温度センサーから読み取った温度データを送信しています。このコードを実際に動作させるためには、BLEモジュールが接続されているスマートフォンやパソコンで、BLEデバイスとしてArduinoを認識し、接続する必要があります。
BLEの応用
BLEの活用例は多岐にわたります。例えば、以下のような用途で利用されています。
- 環境モニタリング:温度、湿度、気圧などの環境データを収集し、リアルタイムで表示したり、クラウドに送信したりできます。
- ウェアラブルデバイス:心拍数、歩数、睡眠時間などの生体データを収集し、健康管理に役立てることができます。
- スマートホーム:家電製品を遠隔操作したり、センサーデータに基づいて自動化したりできます。
まとめ
BLEは、低消費電力でデータ通信を行うための強力なツールです。この記事では、BLEの基本的な仕組みと実装例を紹介しました。BLEの技術を理解し、活用することで、様々なIoTアプリケーションの開発が可能になります。
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